Volta Basel 2025
日程 2025年6月18日(木)〜22日(日)
会場 Messeplatz 21 (スイス・バーゼル)
https://www.voltaartfairs.com/basel

念願のVolta Basel に参加!!
世界最高峰Art Baselと同時期にすぐ隣の会場を構えるVolta Baselは、世界中から目の肥えたコレクターやギャラリストが来場するアートフェア。
世界中のギャラリーがセレクトしたアーティスト作品が展示され、アートファンもVolta Baselに展示される作品を楽しみにしていると言われる人気アートフェアです。
数年前からVolta Baselのお話は聞いていましたが、自分で納得のいく作品が描けていない私が参加するのは時期尚早だと考え、いつかは絶対参加してみたいとずっと目標にしてきたアートフェアでした。
たくさん勉強して、たくさん悩んで、ずっと私が世界へ送りたいメッセージは何なのか考えてきた結果、自分には表現しきれないほど壮大なテーマである『ニルバーナ』に挑戦することにしました。
仏教を学ぶものであれば誰しもが憧れる安息の地、『ニルバーナ』。お悟りを開いた方だけが到達することができる誰もみたことがないその地は、あまりに壮大すぎて何をどう表現すれば良いのかとっかかりさえ掴めず、この一年はずっと日々思い悩んできました。
『ニルバーナ』への想い
ニルバーナを描いてみたいと思ったのはもう何年も前のこと。そもそもはお釈迦さまとランチがしてみたかったという叶わぬ願いから始まりました。
生きながらにしてお悟りを開かれた人間はお釈迦さまだけなので、そのお釈迦様の目に映るこの世はどのようにみているのだろうと疑問に思い、お釈迦さまとランチをしながらその世界についてお話ししてもらいたかったのです。
当然、お釈迦さまと実際お話しすることは叶わないので、お釈迦さまが残された言葉を辿って想像するしかありません。また現代の脳科学、量子力学などを知ると、不思議とお釈迦さまの言葉とリンクすることが多く、この世の真理を解いたお釈迦さまは一体何が見えていたのだろうとさらに興味が湧いてきました。
そうした多角からお釈迦さまの言葉を学びながら、私なりの世界観を構築していったのです。
ニルバーナのお嫁入り
こうして長い月日をかけて私が思い描くニルバーナという世界観を、憧れのアートフェアで発表することが叶いました。
しかし、実際展示に向けて準備が進むにつれて、私のコンセプトが世界の人へ届くのかどうか、また技術的にも興味を持ってもらえるのかを不安で仕方ありませんでした。
もし誰も立ち止まってくれなかったら、誰にも興味を持ってもらえなかったら・・・と思うと、胸が締め付けられるほど緊張して、初日は周りの人が心配するほど顔が引き攣っていました。
そんな私の心配はよそに、多くの方が作品の前に立ってじっくりと鑑賞してくださり、何度となくコンセプトや技法についてご説明させていただく機会をいただきました。「ニルバーナは全ての調和が取れた静かで美しい場所。でもできるならこの世もこのような美しい場所になることを願っている」というと、全ての人が世界中で起こっている紛争や戦争を悲しく思い同じように共感していただけました。
そんな中、ある男性がこの絵の前に立って絵をじっくり鑑賞していらっしゃいました。
その様子を後ろからみながら、不思議と「この方がオーナーになってくださるといいな」という気持ちが湧き上がりました。作品と同じ気を感じたのです。
担当者から交渉成立したと聞いたときは驚きましたが、それよりもこんな素敵な方がオーナーになってくださったことへの感謝と喜びがじわじわと体を巡って湧き上がり、心からこの作品に向けて真剣に努力してきて良かったと思えました。
来年にむけて
今回、このニルバーナを中心に、これまで私が仏教を学び何度も反芻して表現へと結びつけてきた作品は、多くの人から共感していただけて、たくさんのお褒めの言葉をいただきました。このことは、悩みに悩んだコンセプトをはじめ、試行錯誤して確立してきた土彩画が世界で戦えるものまで育てられたということだと自負しています。
さらに多くの方にSNSをフォローしていただくことができ、投稿やリールにも暖かなコメントが寄せれるようになりました。現代において制作現場から世界中のファンの方へメッセージを送ることは簡単にできるようになり、さらに私の制作へかける思いやコンセプトの掘り下げを知っていただく機会を得ることができました。
まだ終わったばかりですが、Volta Baselで私の世界観を知ってくださった皆様に、また新作をみていただきたいという気持ちが湧いています。できることなら、また来年さらに深く掘り下げた作品群を皆様に見ていただけたらと思っています。


























