絵画作品
莫妄想
物語り
莫妄想とは『妄想する事なかれ』という意味です。
この絵は、私自身が長いこともがき苦しんで自分のために描いた絵といっても過言ではありません。この絵を描いてやっと自分の気持ちを自由にさせてあげられた気がします。
また、同じように様々な事柄で傷ついたり苦しんだりしている人々に、ブッダの言葉に耳を傾けてもらえる小さな切っ掛けでもいいから伝えたいと考え、私なりに解釈してブッダの残した言葉を絵にしていこうと決心するに至った自分の中で大変重要な作品です。
立ち上がった赤髪や獅子の冠を描いた頭部は愛染明王を彷彿させます。この愛染明王は人間の愛欲をそのままに悟りにみちびくとされる明王様です。
その明王様になぞらえて描いた顔は、私自身の顔をモデルとしています。
また、その私が手にしている宙に浮かんだ生首の顔も私自身の顔をモデルとしています。
何度も過ぎた日々のことを考えてばかりいて何も手につかなくなってしまった日々。自分のお腹の真ん中に真っ黒なものが住み着いて憎悪の感情に支配されてしまったような日々。自分が可哀想でいつまでも恨むことで許せない自分を庇護し続けた日々。
そんな過去の出来事に囚われて今この時を生きられない自分に『莫妄想』という言葉が深く突き刺さりました。
同じく『一夜賢者の偈』というブッダが残した偈を読んで、私自身はどこへ向かえばいいのだろうと何ヶ月も考えました。
その思いをなんとかする必要も無く、想いそのものに本当は意味が無いことを伝える無表情な自分に、憎悪の思いに浸かって甘んじる自分の首を取らせました。
記憶は無くなる訳でもないし、悲しみは消える訳ではありません。
恨みを抱いた気持ちを鎮めることは、起きた事実を無かったことにすることでもありません。
でも、それらを忘れることは、その時を生きた自分をないがしろにすることでもありません。
ただ起きたことをそのままに、このままの事実として残しておくだけのこと。
そのことを忘れないように『莫妄想』を描きました。
この絵は、私自身が長いこともがき苦しんで自分のために描いた絵といっても過言ではありません。この絵を描いてやっと自分の気持ちを自由にさせてあげられた気がします。
また、同じように様々な事柄で傷ついたり苦しんだりしている人々に、ブッダの言葉に耳を傾けてもらえる小さな切っ掛けでもいいから伝えたいと考え、私なりに解釈してブッダの残した言葉を絵にしていこうと決心するに至った自分の中で大変重要な作品です。
立ち上がった赤髪や獅子の冠を描いた頭部は愛染明王を彷彿させます。この愛染明王は人間の愛欲をそのままに悟りにみちびくとされる明王様です。
その明王様になぞらえて描いた顔は、私自身の顔をモデルとしています。
また、その私が手にしている宙に浮かんだ生首の顔も私自身の顔をモデルとしています。
何度も過ぎた日々のことを考えてばかりいて何も手につかなくなってしまった日々。自分のお腹の真ん中に真っ黒なものが住み着いて憎悪の感情に支配されてしまったような日々。自分が可哀想でいつまでも恨むことで許せない自分を庇護し続けた日々。
そんな過去の出来事に囚われて今この時を生きられない自分に『莫妄想』という言葉が深く突き刺さりました。
同じく『一夜賢者の偈』というブッダが残した偈を読んで、私自身はどこへ向かえばいいのだろうと何ヶ月も考えました。
その思いをなんとかする必要も無く、想いそのものに本当は意味が無いことを伝える無表情な自分に、憎悪の思いに浸かって甘んじる自分の首を取らせました。
記憶は無くなる訳でもないし、悲しみは消える訳ではありません。
恨みを抱いた気持ちを鎮めることは、起きた事実を無かったことにすることでもありません。
でも、それらを忘れることは、その時を生きた自分をないがしろにすることでもありません。
ただ起きたことをそのままに、このままの事実として残しておくだけのこと。
そのことを忘れないように『莫妄想』を描きました。
作品概要
莫妄想
素 材:木、顔料、アクリル、金箔
サイズ:903×287×27㎜