絵画作品
脱皮〜嫉妬〜
物語り
『池に生える蓮華を、水にもぐって折り取るように、すっかり愛欲を断ってしまった修行者は、
この世とかの世とをともに捨て去る。
──蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。』
『スッタニパータ』第一「蛇の章」一「蛇」第2偈
中村元訳『ブッダのことば―スッタニパータ』(岩波文庫)
私はこの言葉を読みながら、自分の心の中に生まれるさまざまな感情について考えました。
そのひとつが、嫉妬です。
嫉妬は、とても厄介な感情です。
自分では別の理由で傷ついたり、怒ったりしているつもりでも、その感情をひとつずつ掘り下げていくと、思いもよらないところから嫉妬が姿を現すことがあります。
そして、自分の中にもそんな醜い感情があることを認めなければならない時、自分自身の見たくなかった部分を突きつけられたような居心地の悪さを感じ、目を逸らしたくなります。
この作品に描いた黄色い薔薇には、花言葉のひとつである「嫉妬」を重ねました。
嫉妬は、焼けつくような苦しみを生み出す、複雑で根深い感情のひとつです。時にプライドとも絡み合い、手放そうとしても、なかなか手放すことができません。
けれど、その嫉妬がどこから生まれてきたのかを辿り、目を逸らさずに自分の心をじっと見つめていくと、絡み合っていた感情が少しずつほどけ、その奥に隠れていたものが見えてくることがあります。
自分は本当は何に傷ついていたのか。
何を失うことを恐れていたのか。
何を求めていたのか。
そこに気づくことができた時、それまで焼けつくように自分を苦しめていた感情が、嘘のように静まることがあります。
古い皮を脱ぎ捨てる蛇のように、まとわりついていたものからするりと抜け出し、また新しい自分として前を向くことができる。
私は『スッタニパータ』の言葉に、そんな心の姿を重ねました。
画面の中の女性の髪は、強い風を受けて大きくなびいています。
この髪には、仏像彩色などの古典技法にも見られる盛り上げ彩色の表現を取り入れ、白土によって一本一本の流れを立体的に描きました。
この世とかの世とをともに捨て去る。
──蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。』
『スッタニパータ』第一「蛇の章」一「蛇」第2偈
中村元訳『ブッダのことば―スッタニパータ』(岩波文庫)
私はこの言葉を読みながら、自分の心の中に生まれるさまざまな感情について考えました。
そのひとつが、嫉妬です。
嫉妬は、とても厄介な感情です。
自分では別の理由で傷ついたり、怒ったりしているつもりでも、その感情をひとつずつ掘り下げていくと、思いもよらないところから嫉妬が姿を現すことがあります。
そして、自分の中にもそんな醜い感情があることを認めなければならない時、自分自身の見たくなかった部分を突きつけられたような居心地の悪さを感じ、目を逸らしたくなります。
この作品に描いた黄色い薔薇には、花言葉のひとつである「嫉妬」を重ねました。
嫉妬は、焼けつくような苦しみを生み出す、複雑で根深い感情のひとつです。時にプライドとも絡み合い、手放そうとしても、なかなか手放すことができません。
けれど、その嫉妬がどこから生まれてきたのかを辿り、目を逸らさずに自分の心をじっと見つめていくと、絡み合っていた感情が少しずつほどけ、その奥に隠れていたものが見えてくることがあります。
自分は本当は何に傷ついていたのか。
何を失うことを恐れていたのか。
何を求めていたのか。
そこに気づくことができた時、それまで焼けつくように自分を苦しめていた感情が、嘘のように静まることがあります。
古い皮を脱ぎ捨てる蛇のように、まとわりついていたものからするりと抜け出し、また新しい自分として前を向くことができる。
私は『スッタニパータ』の言葉に、そんな心の姿を重ねました。
画面の中の女性の髪は、強い風を受けて大きくなびいています。
この髪には、仏像彩色などの古典技法にも見られる盛り上げ彩色の表現を取り入れ、白土によって一本一本の流れを立体的に描きました。
作品概要
脱皮〜嫉妬〜
素材:パネル・土・日本画煉絵具・アクリルエマルジョン・岩絵の具・黒箔・赤箔・玉虫箔・アルミニウム箔
サイズ:F20
制作年:2020年
ロンドン国際クリエイティブコンペティション オフィシャルセレクション受賞作品










