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絵画作品

ベビー聖徳太子ちゃん

物語り

私たち人間や動物たちと変わらず、輪廻の中を生きる生物である神々。

ベビーシリーズは、輪廻するなら神様にも生まれてきた時だってあると考え、請願発起して人を苦しみから救う菩薩や神部の神々になる前の、まだ何も知らない可愛くて純真無垢で愛おしい赤ちゃんの姿で神々の幼少期を描くシリーズです。


この作品は、法隆寺で開催された展覧会に出展するために描いたもので、日本仏教において非常に重要な存在である聖徳太子をモデルにしています。
日本人であれば誰もがその名を知る聖徳太子は、仏教の普及に大きな役割を果たした人物です。

聖徳太子には実在しなかったという説もありますが、仏教に深く帰依し、人々の信仰の対象として今も多くの尊崇を集めています(太子信仰)。
法隆寺には、太子にまつわる数々の建築物が残されており、太子の尊像も大切にお祀りされています。

中でも、私がとくに心を惹かれたのが「聖徳太子二歳像」です。
合掌し、正面を見据える姿は、二歳とは思えないほど厳かで神聖な雰囲気を纏っています。

本作品は、この二歳像をベースにしつつ、「実はその小さな手の中にひよこをそっと隠していたら…」という私自身の自由な想像を膨らませて描きました。
作中に登場するひよこは、仏教そのものを象徴しています。
小さな両手で大切にひよこを包み込む姿は、日本に仏教を広め育てた聖徳太子の生涯と重なって見えました。

背景に描いた蓮の花は、聖徳太子の尊像を祀る「聖霊院」の厨子壁画から一部を模写したものです。
この壁画は私が特に感銘を受けたもので、蓮の絵を初めて描いた際にも多くのインスピレーションをもらいました。
今回はその横長の美しい構図の一部を切り取り、作品の中に取り入れています。

また、作品の上部に描かれた文様は、大阪・四天王寺に所蔵されている「聖徳太子童形像・六臣像」に見られる緞帳の意匠を一部模写したものです。

さらに、太子ちゃんのすぐ隣に静かに寄り添っている白い犬は、雪丸という名の伝説の犬をイメージして描きました。
雪丸は、聖徳太子が特に可愛がったとされ、太子と会話ができたとも言われる非常に賢い犬です。

このように、作品の中には聖徳太子にまつわる多くのアイコンや物語の断片を散りばめています。
それらを一つ一つ読み解きながら鑑賞していただけたら嬉しく思います。

なお、聖徳太子は数多くのお寺を建立したことから、大工や様々な職人たちをとても大切にしたとも言われています。
そのため、現在でも太子は大工や技術者の守護神として信仰され、「太子信仰」は脈々と受け継がれています。

このような聖徳太子の物語を、幼い日の姿として作品に描き、法隆寺というゆかりの地で展示させていただけたことをとても光栄に思っています。

作品概要

ベビー聖徳太子ちゃん

素材:パネル・土・麻布・日本画煉絵具・アクリルエマルジョン・岩絵の具・金箔・水金箔・洋金箔・玉虫箔
サイズ:M6

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