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絵画作品

黄金神代桜

物語り

山梨県北杜市にある日蓮宗・實相寺の境内に、堂々と佇む一本の桜の木「神代桜(じんだいざくら)」があります。

福島県の三春滝桜、岐阜県の淡墨桜と並び、日本三大桜の一つに数えられるエドヒガンザクラの巨木で、その樹齢は約2000年を超えるとも言われています。

樹高は10.3m、幹の周囲は11.8m。
大正時代には、日本で最も古く最大級の桜として、日本初の国指定天然記念物に指定されました。

この歴史ある神代桜を、ぜひ作品にしてほしいと實相寺よりご依頼をいただき、本作を制作いたしました。

神代桜は、1375年(永和元年)に實相院日応上人がこの地に寺を建立するよりも遥か以前から、ここに根を張り生き続けてきた存在です。
この地に種が落ち、いくつもの奇跡が重なって芽吹いたその瞬間、桜が初めて目にした景色とは、どのようなものだったのだろう・・・。

きっと、その大きな木のまわりには自然と人や動物が集まり、静かに、そして少しずつ賑わっていったはずです。

そしてこの桜の下で誕生を祝う声が響いた日もあれば、別れを惜しむ涙が流れた夜もあったことでしょう。
幾千もの命の物語を見届けながらこの桜は生き続けてきた歴史の重さや桜の孤独が、神代桜からひしひしと感じられました。

そんな“諸行無常”の時の流れを、この桜の姿を借りて表現したいと考えました。

土の部分には七宝文様に桜を重ね、長く受け継がれてきたご縁と命のつながりを象徴しています。
描いては削り、また描いては削るという工程を幾度も繰り返すことで、時を経て朽ちていくような風合いを生み出しました。

背景の下地には玉虫箔を埋め込み、光が差し込むと淡く青く輝くようになっています。
桜は純金箔を用いて描かれ、さらに漆と土を何層にも重ねながら磨き、時間とともに積み上げられた命の重なりを表現しました。
そして、支柱部分には水金箔を使用し、命を支える神聖な力強さを描いています。

空には、雲のように見える小さな魚たちが泳ぐ姿を配しました。
これは天へ昇っていく水の循環の象徴であり、同時に私たちの命は循環するエネルギーの一部だというメッセージを込めて描いています。

また、神代桜には日本神話との深い関わりもあります。
神話の中では龍との縁も伝えられていることから、作品には悠久の時を俯瞰する存在として、空を舞う金龍を描きました。



この作品は、撮影する光の加減によってまったく異なる表情を見せてくれます。

あるときは、晴れた昼間の青空の下で輝く神代桜のように、またあるときは、夜の帳に包まれた幻想的な桜のように。
その表情の違いを活かして、昼と夜、2種類のビジュアルデータを制作しました。

それぞれ『昼桜』『夜桜』と名付け、これをもとに實相寺オリジナル御朱印帳が制作されました。

▼ 實相寺オリジナル御朱印帳
https://eisui.shop/items/67f5cf579253660a49a281aa



作品は、現在お寺の庫裡に展示されています。

拝観をご希望の方は、どうぞ受付にてお気軽にお声かけください。
近くで作品をご覧いただける貴重な機会です。
神代桜の悠久の命と感じると同時に、エネルギーとして循環する人の命の儚さを感じていただけたら嬉しいです。

作品概要

黄金神代桜

素材:パネル・土・麻布・日本画煉絵具・アクリルエマルジョン・岩絵の具・金箔・水金箔・洋金箔・玉虫箔
サイズ:F40

 

『黄金神代桜』

大津山 實相寺
〒408-0306 山梨県北杜市武川町山高2763
電話 0551-26-2740

 

 

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