シリーズ『I wanna see you』
このシリーズでは国も文化も様々なところで暮らす人々がモデルになっています。そのモデルたちは印相*を示していたり、特定の神仏の象徴とされる物を持ったりしています。
彼らはそれぞれの教えを拠り所にして、私の知らないどこかで暮らしているあなたです。
様々な思想を持つどの国の人でも、私たちはいずれ終わる命を生きている生命体です。
いずれ終わってしまう命をたまたま時を同じくして違う場所で違う思想の元で生きているという大きな命のつながりを転法輪印を結ぶことで表現したいと考えました。
また、背景に描かれているのは「更紗」の図柄です。更紗はインドで始まった染色技術で、シルクロードを渡って世界へ広まりフランス更紗やジャワ更紗、日本更紗など、それぞれの土着モチーフを取り込みながら普及しました。
仏教も同じようにインドで始まりシルクロードを経て、土着宗教と混じり合って世界へと広がった背景があります。
世界へ広まった仏教の歴史が更紗の普及とよく似ていると考え、世界の更紗の柄を用いて表現しています。
「印相」*
手の指で様々な形を作り、仏・菩薩・諸尊の内証を標示するもの。